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介護人メイルの、悔悟、改悟、開悟、戒護。
 
 
 
 
 
 

介護を超えて、悔悟のままに、「ジュード・ロウ」のごとく-3!

 
メイルは、どうあれ、毎日、胃を痛めながら、必死で生活している。
田舎者知事のようであるスポンサーの先達との見解の相違が酷いからである。
メイルは、どんな人間でも、それぞれに役に立っていて、それぞれの協力(company)が必要で、自分一人では何もできないと信じている。
しかし、田舎者知事のようなスポンサーは、役に立っている人間などそんなにいない、自分がうまく利用すればいいだけで、気にする必要はないと言い切る。
必然的に、二人はことあるごとに対立する。
表面上は、波風をたてないジュード・ロウとは、その点で随分違う。
そう言えば、かなり昔にもメイルは、この田舎者知事と一緒に働いたことがある。
そのとき、それをメイルの母親が心配して言った。
「オマエは、あの人のようにお金をお金と割り切れないのだから、離れた方がいいんじゃないの」
どちらにしても、今、再びこのスポンサーと仕事をしていることを、母親はどう感じているのか、メイルはとても気にしている。

映画「オール・ザ・キングスメン」のジュード・ロウが、評判の悪い田舎者知事の下で働き始めたことを心配した母親と話し合うシーンがあった。
「今日は今までのオマエじゃないみたいよ(You weren't like yourself today like you used to be)」
「同じだったら、お願いだから射殺してよ(If I'm ever like I used to be, do me a favorand shoot me)」
それから、その悪い噂にも言及される。
「ペイトンさんが言っていたように、アナタが一緒にいる人たちとくすねるようなことをしているの(Was Mr.Payton saying those people you're with are mixed up in some sort of graft)?」
「くすねるなんて下品な言い方だよ(Graft's what you call it when who's doing it…doesn't know which fork to use)」
「何でもいいわ。心配なの(Well,whatever you call it.Because I worry to think that)」
「知らない。どちらにしても、誰がどこで何をしようと関知しない主義だから(I don't know.How would I,careful as I am not to know what anybody anywhere is doing at any time)?」
これは、メイルにとって、デジャブのようでしかなかった。
実際、メイルの母親の不安が当たって、一度は一緒に仕事をするのを辞めていた。
田舎者知事のような功名心の怪物は、時として、この上なくワガママな行動を取る。
そして、知らせてはいないが事実は父親である判事が、同じくジュード・ロウを心配して言う言葉がある。
「知らなかったが、仕事には男の召使なことも含まれていたのか(I don’t know his duties ran to those of manservant)」
「ご主人さまが呼んでいる(Your employer is calling you)」
どちらも、ジュード・ロウにとって、酷く傷つく皮肉だった。
そして、公私ともに不自由になっていたメイルに対し、メイルの両親もほぼ同様のことを間違いなく言っていた。

けれども、メイルも、ジュード・ロウと同じで、そのそこそこ知性があり、財産があり、時としてワルガキのように振舞う男と離れられなかった。
そのニュアンスを映画の中で、2回見事に表現されていた。
一つは、知事のペイントハウスでの二人の会話。
なかなか判事の弱みを握らないジュード・ロウに業を煮やして、給料を上げて欲しいなら、上げてやると言ったことに応える。
「金はどうでもいい(If I wanted more money,I'd make it)」
「愛のために働いているとでも言いたいのか(You gonna tell me you work for me for love)?」
「働いている理由はよくわからないが、愛のためでも金のためでもない(I don't know why I work for you,but it ain't for love or money)」
「それはそうだ。そうじゃない。オマエはわからない。でもオレはわかる(Well, that's right,it's not.And you don't know why.But I do)」
「なぜ(Why)?」
「それはオレがオレで…オマエがオマエで…2人がそうなるのは自然の摂理だったんだよ(Boy,you work for me because I'm the way I am…and you the way you are…and that's just an arrangement founded in the natural order of things)」
正直、こういうことはある。
メイルにも、どこか今一緒に働いているスポンサーとの間に、その感じがあるのである。
そして、その関係は、もう一つの車の中での会話で、さらに浮き彫りにされる。
ジュード・ロウが、前からずーっと聞いてみたかったのだけどと、思いつめたように田舎者知事に尋ねる。
「オレにウインクをしたかしなかったか」
「ウインク?それはミステリーにしておくべきでは(A wink? well,that's just gonna have to remain a mystery)」
「覚えてない(You don't remember)」
「覚えてるよ(Sure I do)」
「で(Then)?」
「確かに目をつぶった(I just do recall giving a mystery)」
「けれども、目に何か入ってまばたきしただけかも(But then maybe I got something in my eye)」
「何か目に入ったのか(Did you have something in your eye)?」
「入ってなかったら、どうだって言うんだ(What if i didn't? What would that mean)?」
「二人の間には他の人たちにない共通点があったのかもと考えたのかって(That maybe you figured you and me had something in common the other's didn't)?」
「それじゃ、言わないでおこう。ミステリーを奪ったら悪いだろ、そうじゃなくても、近頃、本物のミステリーがほとんどないんだから(Well, I'm not gonna tell youand deprive you of the mystery.There's just too few honest-to-God mysteries left to go around)」
こういう論理に、ジュード・ロウのようタイプは弱く、メイルも全く同じだった。
というのも、自分自身の欠如しているところを、何となく感じているからに違いなかった。
それが、メイルの今の苦悩でもある。
だから、母親の写真に向かって、毎日、「どうしたらいいんだろう?」と聞いてもいる。

☆介護の重要ポイント-32

今年1月、愛媛県松山市の山中に、21歳の女性が殺され遺棄されていた事件で、2月8日、愛媛県伊予市の介護福祉士、河合亮(23歳)が逮捕されたことを聞いて、メイルは震撼している。
ドライブの途中で口論になり、車中で殺害したというのだが、その顔を見て、ショックなのである。
あんな相をしているアホンダラに、誰が介護をさせたのか?
そして、介護された人たちは、どんな扱いを受けていたのか?
想像しただけで、悪寒がする。
誰が何と言っても、介護福祉士になってくださる奇特な人に、人間的な顔を求めるべきと思うのだが…。
それには、早急に介護福祉士にステイタス、デグニティを付加するしかないとメイルは考える。
そうでなければ、安息の介護生活は絶対にないと感じるからである。
どうあれ、その点においては、メイルは両親に少しだけ自負がある。
施設そのものは大したことがなかったかも知れないが、そこに働いていた介護福祉士だけは、自分の目で直接選びぬいたことだけは事実。
実際、被介護者の家族ができる唯一の選択が、それだからである。
ついでに、香川県丸亀市の認知症老人ホーム「グループホームなぎさ」で今年の1月、93歳の女性入居者を介護入浴させる際、自分の思い通りにならなかったからと熱湯をかけ、全治2週間の火傷を負わせた介護福祉士、植野梓(29歳)がいたことも付け加えておきたい。
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介護を超えて、悔悟のままに、「ジュード・ロウ」のごとく-2!

 
メイルが、いかに観念的な理想主義者で、唯我独尊の甘ちゃんだったかというと、生まれてこのかた、選挙に行ったことがない。
「誰がなっても、ロクな候補者がいないのだから、何も変わらない」と、シニカルに吐き捨てて、ハガキを破っていた。
とんでもない非国民と言われるかも知れない。
その結果、天罰が下って、ポケットから小銭まで吸い取られる羽目になったのかも知れない。
だからといって、次の選挙に投票に行くかと言えば、おそらくNayであろう。
それで、ふと「アッ!」と声を上げてしまった。
メイルの両親も、決して選挙に投票に行かなかった。
その理由は、メイルのように生易しいものではなかった。
「あんなどうしようもないヒトたちに投票するくらいなら、死んだ方がましよ」と、明言していた。
その罰が当たって、被介護者になってしまったのでは?と感じたからである。
けれども、それは紛れのない真実でしかないのだが…。
そして、今なお、それは絶対的に変わっていない。

その選挙に行かないことも、「オール・ザ・キングスメン」のジュード・ロウと全く同じで、メイルはまた驚愕していた。
それから、ジュード・ロウの母親が、メイルの母親と同じで、選挙に行かないことにも苦笑させられた。
もしかすると、あの母親ももうすぐ介護の世話になるかも知れない…。
でも、メイルの母親だったら、逆にあの田舎者になら投票したかも知れないが…。
どちらにしても、メイルはジュード・ロウのようなシュガーボーイであったことは間違いない。
ジュード・ロウは、田舎者の選挙演説を冷ややかにカフェの中から聞いていると、選挙参謀の女が入ってくる。
そして、自分のテーブルについて、言われる。
「座っていい(Can I stay with you)?」
「他には(Or anything else)?」
「結構(No thanks)」
「ボクの外見は嫌い(You don't like my looks)」
「関係ないわ。だらしのない男には魅力を感じないの(I don't care about anybody's looks, but I can't recall ever going for anyone, who reminds me of a box of spilled spaghetti)」
その言葉に一瞬ムッとするほど自意識が強いところも、メイルにそっくりだった。
さらに、この選挙の茶番について言及していると、その女からダメを押される。
「私はある種のことに鈍いの、あなたみたいに(I guess I'm slower on something than others,
like you)」
「ボクが(Am I)?」
「ええ(I think so)」
「まさか(I think not)」
滅茶苦茶プライドの強い少年のようなのである。
それがゆえ、ジュード・ロウは、またしてもシニカルに逃げ口上に近いことを言う。
「気がとがめない。もしそんな気があったら、とっくに自分で何かしている。そうでないから、こうしてここから交通事故でも見るように眺めているじゃない(I don't care,If I did,I'd do something about it,wouldn't I? No, I'd rather watch from here,like a passing a car crash)」
本当にリアリティのない夢見る夢男のようである。
さすがのメイルも、ここまでは酷くないと呆れてもいる。
それにジュード・ロウがハンサム過ぎて気にもなっている。
ただ、新聞社を辞める時などは、自分の昔を見ているようで、思わずメイルは赤面してしまった。
新聞社の姿勢に反して、ジュード・ロウが田舎者に肩入れした記事を書き続けることに、「いくら友だちだからと言って優位に書くな」と編集長がクレームをつける。
それに対して、ジュード・ロウは反射的に憤慨する。
「個人的に友だちなんかではない。誰が知事になったって構わない。どちらにしても、ボクの記事の書き方をいうつもり、もしくはボクがミスを犯したってでも言うのかい(He's not a friend of mine ,personally.I don't care who's governor.Are you telling me what to write,or am I mistaken)?」
「知ってるだろ、クロニクルの方針を(You know The Chronicle line)?」
「もういい(All right)」
「もういいって、どういう意味だ(What do you mean,“All right”)?」
「そう言ったままの意味だよ(I mean the way I said it)」
メイルはこのシーンに、いままでの辞め方をすべて思い出していた。
確かに、どの会社の上司も似ていたが、今考えると、このジュード・ロウと同じくらい傲岸不遜で、生意気だった気がする。
そんなジュード・ロウだからこそ、どんどん田舎者知事の術中にはまってゆく。
その心理状態が、メイルには手に取るようにわかる。
田舎者知事に呼び出され、自分のために働けと言われるシーンも、その意味で鮮烈だった。
「首になったんだって(I heard you got fired)」
「違う辞めたんだ(You heard wrong ,I quit)」
「それは賢明だった(That's smart)……」
「仕事欲しくないか(You want a job)」
「誰のための仕事?州のため(Working for whom? The state)?」
「まさか、オレのため…大事なことを忘れずいつも思い出すためにタイニーをそばに置いて、ヤツラがおいしい話をしても二度と聞かないようにしている(Hell,no.me.…I keep Tiny aroung to
remind me of something I never wanna forget.When they come around sweet-talking,don’t listen.Never again)」
「アナタのために何をするのか(What would I be doing for you)? 」
「おいしい話(Sweet-talking)」
ジュード・ロウやメイルのように、知性を大切にする人間にとって、こういう会話は蜜の味なのである。
とりわけ、田舎者知事のような粗雑な人間からこう言われると、100%拒めないと言える。

☆介護の重要ポイント-31

今では、脳卒中難民があるという。
手がかかるうえに、実入りが少ないから、介護施設で体よく拒否されてしまうらしい。
メイルはこれを聞いて、マジに切れてしまって、自分までがそうなりそうで、焦っている。
冗談もここまで来ると、到底受け入れられない。
脳卒中患者は、フリーズしてしまったPCそのもので、誰かに再起動してもらわなければ、絶対に動けないのである。
メイルは母親がそうだったので、簡単には容認できない。
そもそも、介護保険の改定があり、療養通所介護は、1人一律15000円まで、1日10万円までとされてしまったことが原因だという。
本当に酷い話である。
それ以来、療養通所介護施設の90%が赤字に苦しんでいるという。
介護保険料が減少したためだというのだが、これは真っ赤なウソ。
実際は、2006年度だけでも、1400億円も余っているのだという。
どこまで、強欲なのか保険庁。
それなのに、介護保険料は、180円アップするというのだから、言語道断。
保険庁がその余剰金を何に使っているのか、みんなで監視すべきだと思う。



 
 
 
 
 
 

介護を超えて、悔悟のままに、「ジュード・ロウ」のごとく-1!

 
メイルは、両親の私物の整理をほぼ終えられる気がして、ホッとしている。
生まれて初めての経験上、実に悩み戸惑い躊躇し、時には苦悶しながら、片づけてきた。
自分のものだって簡単にできないのだから、当然と言えば当然なのかも知れない。
いくら実の親のものでも、正直、何が大事なのか、何を取っておけばいいのか、本当によくわからなかった。
そうしながら、突然、ある疑惑が湧いて、すっかり取りつかれてしまった。
「自分は、本当にこの二人の子どもだったのだろうか?」
もちろん、それだから、どうこう言う訳ではなかった。
おそらく、父親でも確信がなかったことだろうから、どうでもいいのだが…。
なぜ、そんなことを思ったのかというと、60年以上前のこと、二人の本当の馴れ初めを知る人が誰もいないことに気づいたからである。
どちらにしても、二人のお陰で、リッチではなかったが、食べる物に困ったことは一度もなかったのは事実だった。
それ以上に、自分の信じるがままに、怠惰に放縦に、時には自堕落的に斜に構えて生きることができた。
まさにデイドリーマーのような暮らしができた。

その意味で、メイルは、「オール・ザ・キングスメン」のジュード・ロウに、自分を見つけて、戦慄を覚えていた。
基本的に、瓜二つの考え方を持っていたからである。
もっともジュード・ロウが特権階級に属する大手新聞社の高名なコラムニスト、メイルはプチブルの、名もないコピーライターと、状況に大きな違いはあるが、たいした問題ではなかった。
「知らなければ傷つくことはない(What you don't know won't hurt you)」
理想主義的考えのもとに、他者と深く関わらず、したり顔で達観したものの見方に終始していた。
ある種、鼻もちならない嫌味な人間でもあった。
「何かを、何でも、偉大な真実でも、あるいは失くしたメガネでも、探そうとしたことは、探すことに価値があると最初に信じることが大切(To find something,anything,a great truth,or a lost pair of glasses,you must first believe there will be some advantage in finding it)」
必要以上に巻き込まれずに、達観するという生き方は、時として、無意識のうちに他者を傷つけることがあっても、このうえなく楽でもあった。
その証拠に、ジュード・ロウは有能なジャーナリストにもかかわらず、学校建築汚職を知っても、必要以上に糾弾しようとはしなかった。
そんなジュード・ロウが、その汚職事件を糾弾する田舎者(huck)と出会って、衝撃的なインパクトを与えられ、人生の岐路に立つ。
その功名心と名誉欲の権化の田舎者が、予想を覆し、知事になるという野望を実現する。
この田舎者知事のショーン・ペンが、また味があるのだが、前回取り上げているので、今回はあくまでジュード・ロウに注目したい。
ともあれ、観念論者は、実践主義者の影響をもろに受けるもの(influential)。
実際、この田舎者の公言する主張は、ジュード・ロウを圧倒する。
「オレは信頼を守る。それがオレができること。オレは人々の信頼も守る。なぜなら、時間がすべてのことを明きらかにすると、信じるから(I'm gonna keep the faith,that's what I'm gonna do.I'm gonna keep the faith in the people,because you know why?Time brings all things to light. I trust it's so)」
メイルも、今、田舎者知事のような先達と出会い、強烈な思考の変化を求められ、苦汁の日々を送っている。
生きることは、どこまでも泥臭く、生々しいことぐらい十分理解しているのだが、どうしてもそこまでしてと逡巡してしまうからである。
と同時に、どこか自己改革の必要性もメイルは正直感じている。
この世の中、清濁併せのみ、ブラックになることは無理でも、グレーにならなければ生きてゆけないところが多いからである。
事実、田舎者は知事就任後豹変する。
そして、その汚職を糾弾しようとする判事を脅迫しようと夜中に訪問する車中で、「知事は脅迫に動じたりしないし、何もこんな時間に訪ねなくても…」と言うジュード・ロウに、田舎者知事は高圧的に言い放つ。
「オレの威厳に関わるって?トラブルを抱えた知事たちはそのことで右往左往するが、そんなことは関係ないし、大問題なんかではない(You think it's beneath my dignity?The trouble with governors is they think they gotta keep their dignity.There's nothing worthy doing man can do to keep his dignity.Human frame ain't built that way)」
それだけではない。
「オレに構わず、夜は寝かして欲しいな(Hope you leave me to get a night's sleep)」と、煮え切らないジュード・ロウの心中を察したかのように、付け加える。
「(大統領になってホワイトハウスに行くときは)いいか、ジャック、オマエも一緒に行くんだ。それがオマエの望みだろ。オマエには特別な要職を用意してやる。寝室補佐官ジャック・バーデンだ。オレに連絡してくる女たちの電話を直接受け、そいつらが残して行ったピンクの小さなパンティを送り返す仕事だ(No,Jack,you going with me because that's what you want.And I'm gonna appoint a special member to Cabinet for you.Secretary to the Bedchamber of Mr.Jack Burden.
Somebody to keep then telephone number straight,and return their little pink articles that get left behind)」
そして、判事の家に着いて、「もし判事が出てこなかったら」と最後の抵抗をしたジュード・ロウに、極めつけの言葉を吐く。
「やれ。オレはそのためにオマエに金を払っている(Make him. What I pay you for)」
この言葉こそ、メイルの一番の危惧である。
メイルは、両親の介護のために、すべてを失った。
それでも、自分の残りの人生のために、部下のために、仲間のために、田舎者知事のようなスポンサーの世話になっている。
この時代に財産を持っている人間は、例外なく傍若無人で厚顔無恥で人間不信である。
事実、ジュード・ロウのようにポン引きに近いところもある。
複雑な毎日を過ごしている。

☆介護の重要ポイント-30

今、介護離職が話題になっている。
これだけの高齢社会で、核家族化が進んでいる以上、介護は国民全体の問題なのに、その実感も持てないヒトが多いから、仕方がないのかも知れない。
そうでなくても、完全に米国化した我が国は、アンチエイジングと、歳を取ること自体も恥じているのだから、当たり前と言えば当たり前。
面倒臭くなれば、一家心中すればいいぐらいに思っているようにさえ見える。
実際、メイルのように介護度5の家族を持つと、介護保険外の費用が膨大になる。
それが2人になれば、これは天文学的な印象の負担になる。
ところが、世の中は、その実態に即したシステムを構築していない。
それゆえ、介護のために休みを取るとか、転勤を拒否するとか、介護を主体にした勤務が容易にできない。
自然に退職して面倒を見ることになる。
メイルは一応経営者でもあったから、社員たちの協力を得て、かなり無理をして介護ができたところがある。
それでも、こうして悔悟が残り、その会社もなくなった。
その意味で、社員たちには深く感謝している。
そして、離職しても、家族を介護しようとしている人びとに、心からエールを送っている。
人間は、最終的に、どう生きるかということにかかっていると信じるからである。
それにしても、日本の政治屋や官僚の頭がどうなっているのか、一度覗いてみたいもの。
決して人ごとではないはずなのだが…。
 
 
 
 
 
 

介護を超えて、悔悟のままに、「ショーン・ペン」のごとく!

 
メイルは、両親の介護を通じて、介護福祉士が激減してゆくだろうなと直感していた。
一言で言って、間尺に合わない、劣悪なほどタフな仕事だと思えたからである。
なのに、雇用不安が酷くなり、派遣切りなどに注目が集まってきたら、ニーズがあるのだから、介護福祉士として受け入れさせれば、一石二鳥だという介護の実態を知らないトウヘンボクが出現して、メイルは当惑させられている。
実際、2000年から2005年までは、毎年5万人以上は介護福祉士は増加していたが、以後は減少する一方なのである。
5年後には介護認定高齢者が150万人増加し、600万人になるという。
それにともなって、当然、介護福祉士も、現在の120万人から160万人に増加しなければならないのだという。
そして、2025年には、250万人が必要なのだという。
おそらく、その時には、イヤでもメイルも介護される側に立っているに違いない。
にもかかわらず、その賃金は、全産業平均の70%。
今年から3%賃上げされるそうだが、焼け石に水の観は否めない。
さらに、ヘルパー1級の資格取得を公費で支援し、未経験者を雇用した事業者に1人当たり50~100万円の助成金を出すというのだが、果たして効果があるのかは疑問である。
それ以上に、基本的な問題になると思うのが、介護福祉士になる人の人間性。
マザー・テレサたれとは言わないものの、品性の高潔さ、寛容さが絶対必要条件になると信じるからである。
というのも、自分の意思に反し被介護者にならざるをえなかった高齢者は、間違いなくジコチュウで、ワガママな子ども以上に邪気に満ちている。
一方、介護を担う立場になった方も、その悔悟と面倒さに、横柄極まりなくなるからである。
ましてや、近頃のように米国人化し、太ることと同様、老いを忌み嫌う傾向が強くなると、余計汚いものや邪魔なもののように扱うから、そこに誤解と認識のズレが生じ、トラブルの原因になるからである。
それゆえ、メイル自身、印象のいい介護福祉士を選びぬくことが、せめてもの親孝行と東奔西走する羽目になった。
母が死んで1年、「何もしてやれなかったけど…こうして考えると、ボクが見つけた介護福祉士は、それなりにスバらしい人たちだったと思うが、そう思わないか、母さん、父さん」と、毎日、考えている。
「あんな自分の生活のマネージも満足にできなかった人たちが、介護などという人間の職業としては意識の高い仕事をできるはずもない」と、メイルは凄く憤慨している。
そうしながら、今なお、「母さん、父さん、なぜボクを産んだんだよ…。二人の介護のために、こんな思いをするくらいだったら、介護を味わいこれだけ悔悟させられるなら、生れない方がよかった」と、考えてもいる。
まだまだ、成熟できずに、暗い少年時代の穴の底にいるのかも知れない。
それはそうだ。もし戦争で父親が家に帰ってこれなければ、メイルは間違いなく生まれてはいなかったはずだからである。

この考え方は、「ミステック・リバー」の中で、愛する娘を殺されたショーン・ペンが、その遺体確認後の刑事たちの質問を受けている時に、ほぼ同じ形で言っている。
「ちょっとした選択が人生全部を変えてしまうって考えたことがないか?(Did you ever think about how one little choice could change a whole life?)」
「ヒットラーの母親は堕胎するつもりでいたのに、最後の最後で考えを変えたというじゃないか。もしオマエかオレがデイブの代わりにあの車に乗らなかったのか?あの日あの車に乗っていたら、オレの人生は全く違っていた。(I heard Hittler's mother wanted to abort him.At the last minute, she change her mind. What if you or I had gotten into that car instead of Dave Boyle?If I'd gotten into that car that day, my life would have been a different thing.)」
「今ここにある出来事。オレが車に乗って、バスケットケース《オカマ》になってれば、妻になる女に近づきジュース《精子》を注ぐことはなかった。娘は産まれてこなく、殺されることはなかった(Now,here's thing. If I'd gotten into that car, I'd be a basket case. I never would have had the juice to go near her.And Katie never had been born.And she never had been murdered.)」
このショーン・ペンのセリフに、メイルは戦慄した。
そして、自分の両親のことを、もう一度思い出させられた。

それにしても、この映画は、驚愕ものだった。
下町で遊ぶ3人の少年。そこに現れた、刑事を装った少年幼児姦フリークのオヤジ2人。
家がどこかと聞かれ、とっさにウソをつくショーン・ペンともう一人、そして、正直に答えた少年が、車で連れ去られ、4日間もなぶりものにされる。
その時の「車に乗れ(Get in a car)]が、この映画のモチーフである。
やがて、1人は刑事に、被害者の少年は労働者に、ショーン・ペンは人殺しのチンピラを経て、改心したかのように雑貨屋を経営している。
そして、3人の友情も消えている。
それが、ショーン・ペンの娘が惨殺され、被害者の父親、それを捜査する刑事、ウソつき容疑者、それぞれが立場を違えて、旧交を温めることになる。
ここでいつも根底にあるのが、あの車に乗ったか乗らなかったで大きく違ってしまった、それぞれの人生。
同じようにトラウマとしながらも、そんな悪がはびこる世界を駆逐しつつも、そこから抜け出したい刑事は妻に逃げられている。
強姦被害者になってしまったデイブは、トラウマを引きずり、どこまでも暗くウソつきでしかなく、妻や子どもからも信頼されず、友だちの娘殺しの容疑者になってゆく。
そして、その悪の巣窟のような下町で、トラウマに実力で抵抗しようとしたショーン・ペンは、結局、自分が殺し、送金して生活を支えていた、チンピラ仲間の子どもに娘を奪われかけ、その弟に惨殺されてしまう。
因果応報。娘が殺された場所で、刑事が言う。
「何て言うことだ。神がオマエへの貸しを取りにきた(What the fuck I gonna tell him? God said you owed another marker.He came to collect)」
どちらにしても、娘の遺体発見現場で喚き叫ぶショーン・ペンの演技は出色で、メイルは、母親が倒れたことを聞いて駆けつけた病院で、自分の心も全く同じだったと思った。
なぜなら、19歳で殺されてしまった娘も、80歳を超えて介護度5の立場になった母親も、全く直前まで自分のそうなる運命を予感していなかったはずだからである。

ショーン・ペンが娘の死を思い涙する時も、メイルは自分のようだと思った。
母親が目で殺してくれと、後生だから死なせてと合図を送ってきたとき、それに答えてやれない情けない自分に、メイルは号泣し続けた。
おそらく涙はそのときに枯れてしまったのだろう。
だから、母親が死んだ時、続いて父親が死んだ時、メイルは一滴も涙が出てこなかった。
娘が殺された原因の一つが、自分の行いにあると感じているショーン・ペンは、その悔悟から娘殺害犯を自分の手で殺そうと決めている。
やがて、勘違いから、少年時代の親友であるデイブを刺殺する。
「やったことを認めろ。そうすれば殺さない」
「やった」
「なぜ?」
「彼女が夢を見させたから(She reminded me of a dream I had)」
「どんな夢?」
「若いころの夢(A dream of youth)」
「オレは思いださない(I don't remember having one)」
「だから、夢なんだ。もし、オレの代わりに車に乗ったら、わかるだろ?(So it was the dream. If you'd got in that car instead of me)」
「オレは乗らなかった(But I didn't get in that car)」
そして、ショーン・ペンはついにデイブを刺し、拳銃でとどめを刺そうする。
「オレは用意していない(I wasn't ready)」
おそらくメイルの母親も、父親も、そう言ったに違いないと思いたい…。
いや、言おうとしたができなかったかも、いや、とっくに覚悟していたのか…。
そして、二人の亡骸を前にして、メイルが心のなかで言った言葉を、またもやショーン・ペンが言った。
「言ってたように、これだけは独りでやるしかない。死ぬ時だけは一人(It's like I said. This part, you do alone)」
この言葉は、メイルの脳裏にベッタリとこびりついた。

そうして最後に、本当の犯人を逮捕したことをかつての友だちの刑事が告げにきて、聞いた質問にショーン・ペンが答える。
「最後に彼を見たのは、25年前あの車の後部座席に座って、この通りを上がって行った。(The last time I saw him. That was 25 years ago, going up this street in the back of that car)」
ショーン・ペンがすでに友だちのはずだったデイブを殺してしまったことをわかった刑事が言う。
「時々考えるあの時3人で車に乗っていれば…この全部が夢だったらって…本当は地下に隠れたままのまだ11歳のガキで、人生から逃げられるならって想像しているのかも知れない…(Sometimes I think all three of us got in that car. And all of this is just a dream. In reality, we 're still 11-years-old boys locked in cellar, imaging our lives would have been if we'd escaped)」
その通り、メイルも今だに同じかも知れないと思った。
でも、ショーン・ペンの放った一言で目が覚めた。
「知るか(Who the fuck knows)」
現実は、どんなに悪の前で善が弱くても、善人がバカを見ようとも、必死にモラルを守りながら、生きるしかないのである。
それこそが人生だとショーン・ペンが逆説的に教えてくれている。


☆介護の重要ポイントー29

介護福祉士の資格には、その人間性そのもの、品性を求めざるを得ない。
その意味で、プロフェッショナルとして破格の報酬が必要だと、経験的に言わざるを得ない。
極論すれば、振り込め詐欺のターゲットが集まる集団と言えるからである。
これだけ世知辛い世の中になって、さすがのお人好し日本人でも、考え直さざるを得ない状況にある。
被介護者を介護施設に送るということは、何度も言ってるが間違いなく人質を与えることに他ならない。
それには、否応なしに介護福祉士の質に言及せざるを得ない。
現実には、いたるところの施設で、情けなくてみっともないモラル違反の窃盗事件が多発している。
それこそ、被介護者の家族は、毎日祈る思いにもなる。
一方、その介護福祉士の雪崩をうった減少に歯止めがかからない。
これでは質の向上は、夢幻である。
一刻も早い、単なる人数合わせに終わらない抜本的システムの改善が必要である。
そのためには、社会的威厳を持たす以外にない。
報酬と威厳、日本人にとって一番くすぐられるポイントだと思うが…。


 
 
 
 
 
 
プロフィール
 

介護人 メイル・GIVEソン

Author:介護人 メイル・GIVEソン

介護なんて、「する側」も「される側」も現実であってほしくないと毎日願って過ごしている。
ある日突然、前ぶれもなく目の前にそれが現れた…。

東仙坊の、介護用ハンドルネーム「メイル・GIVEソン」が、好きな映画と対照して、お届けする介護ブログ。
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