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介護人メイルの、悔悟、改悟、開悟、戒護。
 
 
 
 
 
 

介護を超えて、悔悟のままに、さらにまた「ジャック・ニコルソン」のごとく。

 
メイルは、いま、再び、人の輪に入っている。
人と関わらない暮らしを続けていて、いつのまにかストレスが溜まっていたのかも知れない。
特に、社会生活していなければ、残りの人生で出遭うことはもちろん、話すこともなかったはずの大学生たち、主婦たちと時間を共有できて、毎日、興奮している。
メイル自身、「あれだけ年寄り臭く説教じみた話をすることは絶対に避けよう」と心に誓っていたのに、ガマンできずに苦笑している。
そんなことより、どこか肌寒い陽気に、負けずに元気でいようと試みても、それができず閉口している。
すぐ疲れ、公園のベンチに腰掛け、タバコを吸いながら、「どうなってんだ。この寒さは?」と独り呟き、危ないオヤジになっている。
そして、「冷夏…簡単にそう片づけていいのか?」とメイルは、不安と懐疑を覚えている。
「冷夏、れいか、レイカ」…。
「落ちましたよ」と転がるコインを拾って声をかける。
「……」受け取って無言のまま立ち去る相手に、「オイ」と再び声をかける。
キッと睨みつけながら、「礼か? れいか…」と意気込むオトコ。
「どうなってる? ワールドカップ?」
 観ていた仲間が、首を横に振る。
「まだ、0対0?」
首を縦に振る。
「0か、れいか」
「誰かいる気がする」
具合の悪いカラダを自分で引きずるように部屋に戻り、灯りを点けると、人の気配が…。
「オフクロかな?」
もう死んで随分経つのに、自分の体調を心配してくれるとしたら、母親以外に考えられない。
「霊か、れいか」
それで、メイルは突然、思い出す。
口うるさかった母親が、思ってもみなかった脳梗塞で倒れ、言葉が不自由になってしまう前、いつもメイルの顔を見るたびに言ってきた、「オマエの肩に、いっぱい人がいる」という言葉。
「今ごろ、向こうでその孫たちと話でもしているのだろうか?」メイルはふと思い浮かべる。
そう言えば、「そういうこと言ってると、早死にするよ」と言い返すと、「いい人間だけが早死にするのよ。私もオマエの子どもたちと早く会いたいわ」と憎まれ口をメイルの母親は叩いていた。

それでまたまた、映画「Blood and wine」のジャック・ニコルソンを思い出した。
ただし、今回は、今までと違って、メイルでは絶対になれないキャラクターを通じての反面教師的共感…。
なにしろ、子連れの金持ちの女性と結婚し、そのお金でワイン会社を経営し、倒産、銀行の管理下にされ、結局、妻の資産を食いつぶしただけでなく、その家まで抵当にしてしまったダメ父親で、宝石泥棒を考えるジャック・ニコルソンなのだから…。
もっとも妻は、自分の金が「Always night's out(いつも妻が起きている間、家に帰ってこない)」のジャック・ニコルソンによって若い女に貢がれてしまったと決めつけている。
ある朝、「スーパーマーケットで買い物してカードを出したら、キャンセルだと言われて、大恥かいたわ」とジャック・ニコルソンは妻にネチネチと責め立てられる。
それに対し、「Things turned around(ツキは変わった).新しいカードを作ってやるから、こんな話はもう止めよう」と平然とうそぶくジャック・ニコルソン。
実際、若いセクシーなヒスパニック女性の恋人がいる。
当然、その恋人ぐらいの歳の義理の息子は、破産したジャック・ニコルソンを小バカにしている。
その態度に、「アイツの父親は本気でアイツとケンカしたことがあるのか?」と妻に聞くと、妻が「ないわ」と答えたので、「Only good guys die young(いい人は早死にする)」と嫌味を言うだけ。
それでも、車の中で、その義理の息子に言う。
「オレはオマエぐらいのときには、N.Y.の五番街でネクタイを何百本も売った。それこそ、自分のしていたネクタイまで売って、大学での弁護士よりも稼いだもんだ」と…。
けれども、義理の息子は聞く耳を持たない。
「Trying to teach you things what I get(人生の教訓を教えているのに)」とムッとしながらも続ける。
「世の中、視聴率しか考えていないスポーツ中継のようなもんだ。物足りない中継でリスナーが不満足でも気にしないラジオ中継のようなもんだ」と言っても、「毎回、腹を立てても仕方ない」と愚弄するだけ。
映画は、その義理の息子がジャック・ニコルソンの恋人に一目惚れして、お互い本性剥き出しになってゆく、カルマ・ストーリー。
それでも、ジャック・ニコルソンらしく、要所要所で、メイルを共感させる。
妻がいつものように逆上して絡むとき、「オレへの不満をすべて書き出しておけよ。戻ってきたら、気のすむまで、やり合おう」と言っても、「今、話し合いましょう」。
「keep up a relationship with me(いい関係を保持しておきたい)」と言うと、「私とは?」。
そう言いながら、すぐ直情径行的に、「Wasting my life(私の人生をムダにされたわ)」と叫ぶばかり…女性はなぜ過去の責任を取れと迫るのか?
いくら「I don't wanna hurt you(傷つけたくない)」と言っても、ブチ切れてモノで殴りかかるのか…女性の何と残虐で、ライオンのメスであることよ!
どうあれ、この映画で、象徴的で、意味深で、示唆に富んだ印象的なシーンがいくつかある。
1つ目は、「I don't fly economy(エコノミーでは飛行機に乗らない)」。
実は、飛行機嫌いのメイルも、必死でビジネスクラスにしていた。
2つ目は、妻が自分を殺そうとしたことを恋人に話すと、恋人が「私だって同じことをしたわ。私の場合は、従兄弟が串刺しにして、豚のように丸焼きにするけど」と答えたの聞き、思わず「Do me favor.Don't love me(お願いだから愛さないで)」と苦笑したシーン。
3つ目は、ジャック・ニコルソンが自分から逃げようとした妻と義理の息子が自動車事故で死にかけたとき、久しぶりに妻の体を血だらけの手で触り、「Just tell me where is(宝石はどこ)? 教えてくれたオマエの人生からオレは消える」と言ったとき、妻が今わの際で言った「Fuck you」…。
4つ目は、義理の息子に、ジャック・ニコルソンが「少しは賢くなれ。死者は帰らない。母さんは自業自得だ。欲を出したりするからだ」と言うと、「欲を出したのは母さんじゃない。ボクだ」と答えたとき、「You killed yourself(オマエは自分自身を殺した) 」と言い放った言葉。
これは、物欲に対する至言とメイルは思った。
5つ目は、持病が悪化し吐血し「粗末な病院で息絶えるのはゴメンだ。オマエからセンチメンタルな同情を受けるのはイヤだ」と言っていた宝石泥棒の相棒を、ジャック・ニコルソンが絞殺した後、「die on your clothes(自分の服で死ねて満足だろ)」と赤ワインを一気飲みするとき。
6つ目は、妻の葬式の後、相棒が「手っ取り早くて、簡潔で、火葬は文明だ。Ashes strike to ashes(灰は灰)。朽ちて虫に食われるのはイヤだ。考えただけでゾッとする」と言うのを、「Shut up」と叫ぶジャック・ニコルソン。
最後は、メイルも人間だからジェラシーを覚えるが、絶対にできないジェラシーのままに女性を責めること。
ジャック・ニコルソンのそれは、興味深いものだった。
「Sleep with him(ヤツと寝たな)」「寝てないわ」「Feel him better(気持よくさせた).Show me where(どこでだ)? Bed? on the floor? Get it on the wall? Clean up goddamn sheets(ベッドでか? 床でか? 壁でか? シーツはきれいにしたんだろうな)?」
嫉妬や羨望も、またカルマとメイルは痛感するのだが…。

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介護人 メイル・GIVEソン

Author:介護人 メイル・GIVEソン

介護なんて、「する側」も「される側」も現実であってほしくないと毎日願って過ごしている。
ある日突然、前ぶれもなく目の前にそれが現れた…。

東仙坊の、介護用ハンドルネーム「メイル・GIVEソン」が、好きな映画と対照して、お届けする介護ブログ。
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